多様な課題が渦巻く製造業、
解決の糸口を見える化する「パレート図」

製造業で競争力の高い製品やサービスを提供していくためには、品質・コスト・納期などを継続的に改善し続けていく必要があります。その一方で、現在の製造業各社は、脱炭素化やレジリエンスの強化、少子高齢化による人手不足など、近年になって対応が迫られるようになった新たな課題にも直面しています。一般に、これらの業務を取り巻く多様な課題の多くは複雑に絡み合っているため、問題の所在と深刻度、さらには解決に向けた糸口が見えにくくなっています。こうした中で、解決すべき問題の優先順位や抑えどころを明確化し、解決に向けた糸口を探り出すために活用するための効果的な解析手法が「パレート図」です。この記事では、パレート図の作成法や適用して業務改善を進める具体的なシーンと期待できる活用効果を解説します。さらに、効果的で効率的な活用に向けて利用可能な最新デジタルなどについても紹介します。

RX Japan株式会社では、日本最大級の製造業の展示会「ものづくり ワールド」を東京で行うほか、大阪・名古屋・九州でも開催しております。IT、DX製品、部品、設備、装置、計測製品などが出展し、製造業の設計開発、製造、生産技術、情報システム部門の第一線で活躍する方々が集います。開発・製造期間の短縮、DX・IT化の推進、コストダウン、脱炭素、工場の省エネ・自動化など製造業の課題を解決するアイデアが見つかる絶好の場となります。

展示会場では、製造業の最先端事例や設計開発の最前線の話題が学べる併催セミナーも開催しています。また、来場だけでなく展示会への出展も受け付けております。気になる方は、お気軽にお問い合わせください。

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 多様な難問が山積する生産現場、データ分析の巧拙が業績に直結

多様な難問が山積する生産現場、データ分析の巧拙が業績に直結

解決すべき難問が多様化している

業界を問わず、製造業で競争力の高い製品やサービスを提供していくためには、品質・コスト・納期(いわゆるOCD)などを継続的に改善し続けていく必要があります。たとえ現時点で競争力のある商品を生み出せていたとしても、より高機能・高性能な新製品を投入する度に新たな改善活動をしていく必要があります。また、市場や生産現場の状況は常に変化し続けており、その時々の状況に柔軟に対応した業務を行うためには、現状分析と適切な対応策の策定が欠かせません。

しかも、近年の製造業は、製品を開発・生産するうえで考慮すべき要求事項が新たに増え続け、これまでにも増して多様化しています。例えば、製品を生産する際には脱炭素化が求められ、安定生産するためにはサプライチェーンのレジリエンス(強靭さ)の強化も求められるようになりました。日本では、少子高齢化による人材不足から、限られた人員で生産を最大化することも求められています。

データに基づく論理的かつ客観的な対応策が必須

多様な課題に囲まれて、製造業各社は取り組むべき多くの課題の中から優先的、重点的に取り組むべき課題を見極め、効果的かつ効率的に改善していく必要性に迫られています。一般に、これらの業務を取り巻く多様な課題の多くは複雑に絡み合っているため、問題の所在と深刻度、さらには解決に向けた糸口が見えにくくなっています。優先的・重点的に取り組むべきポイントを探るためには、客観性の高い状況分析と精緻な洞察が重要になります。

どの課題を優先するのか、また重点的に取り組むのかを決める判断は、成果を大きく左右する高度な意思決定であると言えます。ところが、こうした意思決定を、長年の業務経験を背景にして培った、属人的な知見や勘・コツといった明文化されていない感覚や能力を頼りにして進めている現場も意外と多いのではないでしょうか。日本の製造業の強みを生み出している要因の一つとして、「現場力」と呼ばれる現場に根差した判断力・対応力を挙げる場合がよくあります(図1)。ただし、その現場力が属人的能力や主観に依存していたのでは、産業や企業の恒久的な強みには成り得ません。

図1 日本の製造業の強みを支える「現場力」、だが属人的能力や主観に頼りがちだった

確かに、熟練したエンジニアや技能者の能力の活用は極めて有効で、迅速かつ的確な解を探り出すための手段となります。しかし、こうした属人的能力は、主観的かつ感覚的であるがゆえに、担当者のコンディションに効果が左右される面があり、キーマンが退職すれば能力自体が失われてしまうことになります。さらに、開発や生産の現場のメンバー間での理解や合意もしにくい面もあります。現場メンバーの理解・合意を得ながら、安定的な成果を生み出すカイゼン活動を行うためには、データに基づく論理的かつ客観的な状況把握と対策の策定が必要になってきます。

データに基づく論理的かつ客観的な対応策が必須

データに基づいて、解決すべき問題の優先順位や抑えどころを明確化しながら、解決に向けた糸口を効果的かつ効率的に探り出すためのツールに、「パレート図」と呼ばれるデータ解析フレームワークがあります。パレート図は、製造業の生産現場において、不良品分析、故障した設備の原因究明、生産ライン上で生産性を高めるために改善すべき工程の特定などに広く活用されています。

現在、多くの製造業企業において、データに基づく業務改革「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が実践されています。DXの実践においては、人工知能(AI)やIoTといった、デジタル技術を駆使した最新の情報処理システムの導入・活用に眼が向きがちです。しかし、こうしたシステムを利用する前に、パレート図を作成しカイゼン活動の中で使いこなすことに慣れておく意義は極めて高いと言えます。パレート図は、データ活用の意義と方法論を知るうえでの入門としての役割があり、なおかつ汎用性が高いデータ解析手法だからです。最新のデジタルツールを活用する中でも、パレート図の利用価値は依然として高いと言えます。

 問題解決に欠かせない必須ツール「パレート図」とは

問題解決に欠かせない必須ツール「パレート図」とは

パレートの法則:重要な20%に注目して80%の問題を解決

パレート図とは、課題の要因の重要度を可視化する際に利用するグラフです(図2)。複数の要因が複合的に作用して課題が生じている場合に、全体の中で大きな比率を占める要因が何かを明確にします。どの要因の解消に優先的または重点的に取り組んでいくべきか決めるための判断材料を得るために利用します。

図2 パレート図

出所:筆者が作成

パレート図は、棒グラフと折れ線グラフを一つにまとめた複合的なグラフです。棒グラフでは、課題要因や分類項目ごとの課題発生件数を、発生頻度の高い順に横軸に左から右へ並べて示します。折れ線グラフでは、課題発生した累積比率を、棒グラフの項目に対応させながら示します。

パレート図は、「結果の約80%は、上位20%の要因によって引き起こされている」という、イタリアの経済学者ビルフレッド・パレートが1880年代に提唱した「パレートの法則(80:20の法則とも呼ばれる)」に基づいて、複数の要因それぞれの結果に対する寄与の度合いを可視化するために考案されました。提唱したパレートは、当時の欧州の経済統計から、個人の所得総額の80%が、所得上位20%の個人に集中する状態が安定的に継続しているという現象を発見したことから名付けられました。

実際には、所得偏在の度合いは社会状況や地域、観測対象となる集団の性質によって変わります。ただし、原因または手段と結果の間の関係にはつながりに偏在がある現象は、経済以外にも自然界や社会の中に多く見られます。例えば、「商品の売上の8割は販売している商品全体のうちの2割で上げている」とか、「プログラムの処理に費やしている時間の8割がコード全体の20%が占めている」といった現象です。また、80%と20%以外の関係で因果関係が偏在している現象もあります。パレートの図を利用すれば、こうした原因と結果の因果関係を明確に表現できることから、現在でも状況把握や課題解決を支援する方法論として広く使われるようになりました。

問題箇所の特定と影響の度合いを可視化するメリット

生産現場などでのカイゼン活動などでパレート図を利用することによって、以下のような効果を得ることができます(図3)。

図3 パレート図を活用する効果

出所:筆者が作成

まず、取り組むべき課題の優先順位付けができます。製造業の生産現場などでは、品質改善や装置故障への対処、コストの削減のような解決すべき課題の解決に向けて、日々、取り組んでいます。一般にそれらの課題は、複数の要因が複雑に絡み合って起きています。このため、どの要因の改善に優先的に取り組めば、効果的・効率的に課題を解決できるのか、判断が難しいのが普通です。こうしたシーンでパレート図を活用すれば、全体に大きな影響を与える要因を明確にできます。

また、課題解決に向けて投入可能な、人やコスト、資材といったリソースが限られている場合はよくあります。こうしたシーンでパレート図を活用すれば、リソースを重点投入すべきポイントをあぶり出すことが可能になります。

カイゼン活動を行う中で、解決策となるアイデアを思いついて口頭説明したとしても、現場のメンバーに理解してもらえないことはよくあるのではないでしょうか。課題解決の指針や方策の妥当性を言語化するのは難しい作業であり、明確で客観的な論拠を示さない限りなかなか共感・理解・合意が進まないものです。取り組みの優先順位やリソース投入ポイントを、データを基にして客観的に示すことができれば、現場関係者間で解決策の立案に向けた議論が活発化し、施策の妥当性を共有することで疑問の余地なく取り組むことができるようになることでしょう。

さらに、カイゼン活動を実施する前後それぞれの状態をパレート図で図示し、比較することで改善効果を測定することもできます。パレート図上で明確な効果が認められたら、さらなる対策を推し進めたり、別の課題解決に向けた取り組みを始めたりできます。また、効果が見られなかった場合には、別の対策を検討するといった意思決定の根拠になります。

パレート図と合わせて利用することで効果を発揮するABC分析

パレート図と同様に、パレートの法則に基づいたデータ解析フレームワークに「ABC分析」と呼ばれる手法があります(図4)。パレート図で示されたデータ解析結果を精査した後に、対策を管理するために利用します。

図4 パレート図を基にABC分析して課題解決に向けた施策を策定

出所:筆者が作成

ABC分析では、パレート図で示された各要因を、累積構成比を参照しながら「重要度大のAグループ」「重要度中のBグループ」「重要度小のCグループ」といった具合にグループ化したうえでランク付け。個々のランクに応じた対策や管理方法を割り当てて施策を管理します。累積構成比が何パーセントまでの範囲がAグループになるのかといった基準は、適用する目的、対象などによって変わってきます。基準設定の作業では、分析している担当者の意図やセンスが問われます。

ABC分析は、パレート図によって商品の売上や利益に貢献している商品を洗い出し、在庫管理の優先順位をつけて売上や利益の最大化を図る際などに利用されています。

 製造業でのパレート図の利用シーンは極めて多い

製造業でのパレート図の利用シーンは極めて多い

製造業では、日々新たな課題が発生し対応に追われている

製造業の業務環境は常に変わり続け、業務遂行していく中で新しい多様な課題が発生し続け、担当者は日々その対応・解決に追われています。ただし、一般に課題解決に向けて割くことができる人・モノ・コストは限られており、解決すべき課題とその解決策をフォーカスして、より効果的かつ効率的な課題解決が求められます。

こうした場面において、パレート図が利用されています。ここでは、製造業でのパレート図の具体的な利用シーンを紹介します(図5)。

図5 製造業でのパレート図の利用シーン例

出所:筆者が作成

効果的で効率的な品質管理に向けた利用法

まず、最もパレート図の利用例が多いと思われるのが、生産現場での品質管理における不良品分析です。不良品の種類別に発生件数を集計し、最も頻繁に発生する不良の種類を特定するためなどに利用されます。

例えば、加工後の製品の傷、割れ、凹み、欠けなどの不要要因別に分類し、発生頻度が高い順に並べることによって、重点的に対策すべき不良を把握することができます。また、製品部材の供給元別に不良率を分析して、品質改善要求を出すべきサプライヤを特定するといった場合にも利用できます。生産ライン上の装置別に品質不良を発生した回数を集計し、ライン上での品質改善に向けたボトルネックを洗い出すことも可能です。

生産効率の向上を目指した利用法

また、生産現場では、生産効率の向上に向けた生産遅延の分析などにも、パレート図が使われています。

例えば、各生産工程それぞれに要する時間(スループット)や工程間の移行に要する時間(リードタイム)などを分析。ライン全体の中で最も時間を費やしている部分を特定するために利用されています。設備ごとの故障発生件数や故障によって発生した保全や機会損失のコストを分析し、重点的に対策すべき設備を特定するといった用途にも利用できます。

適正在庫を維持するための利用法

在庫管理においてもパレート図がよく利用されます。最も一般的な利用法として、製品別の在庫数や在庫金額、在庫回転率、欠品率などを分析し、過剰在庫や在庫不足などを把握する際に利用します。

例えば、パレート図によって在庫金額が全体の約80%を占めている重要管理対象とすべき部品があったとします。こうした部品では、他の部品よりも在庫レベルを頻繁に確認し、この部品の発注量と発注タイミングを中心に据えて在庫戦略を立てる必要が出てきます。また、該当する部品を供給するサプライヤとの関係も強化しておく必要もあるでしょう。

顧客満足度の向上に向けた利用法

販売部門などでは、クレーム分析と対策指針の策定に利用する例が多く見られます。顧客からのクレーム内容を分類して、最も多いクレームの種別を特定。顧客満足度の向上に向けて、重点的に改善すべきポイントを明確にするために利用します。

一般に、クレームの内容は多様であり、内容ごとに対策に回る担当部署が異なります。電子機器のクレーム分析を例に取ると、ある製品では動作不良や外観不良に対するクレームが占める割合が多かったとします。対策を要請する先は、まず生産部門となり、動作不良の原因究明と外観不良を減らすための製造工程の改善、さらに品質管理プロセスの見直しなどを要請することになります。

ただし、外観不良に関しては、梱包方法の改良による破損防止や物流段階での商品取り扱い再検討などを求める必要があるかもしれません。このため、外観不良の原因を明確にするため、製造工程、梱包方法、物流業者などに注目して、再度、パレート図での分析が必要になることでしょう。

経営戦略立案や製品開発の指針を得るための利用法

企業経営や製品開発においても、パレート図を適用することでフォーカスすべき課題と解決策が明確になる場面が多くあります。

例えば、企業経営において、製品別の売上高をパレート図で分析し、売上高全体の中でどの製品の占有率が高いのかを明確に把握。重点的に設備投資や研究開発投資を実施すべきポイントを明確にするためなどに利用します。

また、製品開発では、顧客ニーズや市場トレンドを基に、市場価値の高い製品仕様項目を可視化し、その一方で製造コストの内訳を分析して最もコストが掛かる項目を特定しておきます。こうすることで、より価値の高い製品を開発するうえで、どこに重点的にコストを割くべきか意思決定するための材料として利用できます。

 最新デジタルツールとパレート図の新たな活用法

最新デジタルツールとパレート図の新たな活用法

パレート図はデータサイエンスの起点、デジタルツールの利用で効果増大

製造業の各社が取り組む「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の中では、業務データの中から課題解決や意思決定に役立つ情報を科学的手法によって抽出する「データサイエンス」活用の重要性が広く認識されるようになりました。パレート図の作成と利用は、データサイエンスの入口であると言えます。

デジタルツールの利用で効果増大

ただし、これまで利用されてきたパレート図では、いかなる集計項目に注目してデータを分析するのか、パレート図で明確に示された傾向からいかなる課題解決策を導き出すかについては、分析担当者の属人的判断に託されていた面がありました。ところが近年、人工知能(AI)をはじめとするデジタルツールが発達したことで、ツールの支援を活用しながら、より大量のデータを扱い、より効果的に価値ある情報が得られるパレート図の活用が可能になってきています。

まず、AIを活用することで大量のデータを高速処理し、パレート図の作成に必要な情報を迅速に抽出できるようになりました。例えば、収集したデータを分離し、重要度に応じて優先順位をつけるといった作業を自動化できます。これによって、パレート図の作成が高速化し、新たなデータが生まれ集まる中でパレート図をリアルタイム更新し、常に最新情報に基づいた問題解決策の策定や意思決定が可能になります。

また、AIを活用することで、人間が見落としがちなパターンや相関関係を見つけ出すこともできるようになります。これによって、パレート図をより重層的に深い解釈を加えることができるようになります。

一般に、パレート図では、横軸に注目する項目を1次元的にならべ、それぞれの項目は独立しているように扱って解析しています。AIを活用すれば、各項目間の依存関係や相関も考慮した多次元的な分析を行うことが可能になってきます。これによって、より確度の高い、ピンポイントの対策策定が可能になってきます。

DX実践を前提にパレートの法則を逆手に取る経営戦略も登場

一般に、パレート図は、解決すべき課題や取るべき解決策などの、優先順位や重点項目を見出すために利用されます。そもそもこうしたデータ解析ニーズが存在する背景には、人・モノ・コストなどの経営資源には限りがあり、戦略や施策をフォーカスしないと効果的な成果を効率よく得ることができないという事情があります。逆に言えば、無限の経営リソースが利用可能ならば、パレート図に基づいて課題や施策をフォーカスしなくても、思い当たる施策をすべて実施すればよいと言えます。

近年、DXを実践することで、限られた経営リソースでこれまで以上に効果的な施策を打つことができるようになりました。無限の経営リソースを手中にできない点は変わりないのですが、小さな経営リソースしか持たない企業でも、DXによって大仕事ができるようになってきているのです。こうしたビジネス環境の変化を利用し、パレート図の根幹にあるパレートの法則を逆手に取ったビジネスモデルを実践して成功している数多く登場してきています(図6)。代表例としてAmazonや楽天などのネット通販サイトが挙がります。

図6 ネット通販サイトでは、全売上の多くの部分が個別売上額の少ない商品の総和

出所:筆者が作成

一般的な小売店は、販売する商品の陳列スペースが限定され、販売戦略を考える優秀なバイヤー・販売員の数も限られています。このため、扱う商品をフォーカスする必要があり、何を陳列するかを決める際にパレート図を活用することがありました。これがネット通販サイトでは、陳列スペースの制限はそもそもなく、しかも近年はどんなに多くの商品を扱ってもAIを使って一つひとつの商品ごとに最適な販売戦略を立てることができるようになりました。

このため、ネット通販サイトでは、これまではパレート図にしたがって切り捨てていた販売数の少ない商品をきっちりと販売できます。こうした全販売額に占める売上の割合が少ない商品のことを「ロングテール商品」と呼びます。パレート図上の棒グラフで右側に位置する動物の尾のように長く伸びた領域に分類されるため、このように呼ばれます。ネット通販サイトでは莫大な種類の商品を販売していますが、売上の多くをロングテール商品で上げています。例えば、楽天は約2億点の商品を扱っており、年間の売り上げが30万円に満たない雑多な商品の売り上げの総計が、全体の80%〜90%を占めているそうです。

 まとめ

まとめ

競争力の高いビジネスを展開するうえで、パレート図は、極めて有効性なデータ解析フレームワークであると言えます。情報処理技術が高度に進化し、なおかつ製造業におけるDXの取り組みが進んでいる現在も、その点は変わりありません。

ただし、ネット通販サイトにおけるロングテール商品の重要性の高まりに垣間見えるように、パレート図の左に分類した項目にフォーカスした戦略・施策を取れば競争力の高いビジネスを展開できるわけではなくなってきています。解析結果を読み下し、戦略・施策を考える際には、固定概念にとらわれない斬新なアイデアが生まれる余地があることを念頭に置いて考える必要性がありそうです。

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執筆者プロフィール

伊藤 元昭

富士通株式会社にて、半導体エンジニアとして、宇宙開発事業団(現JAXA)の委託による人工衛星用耐放射線半導体デバイスの開発に従事。日経BP社にて、日経マイクロデバイスおよび日経エレクトロニクスの記者、副編集長、日経BP半導体リサーチの編集長を歴任。


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