生産管理システムとは?主な機能とメリット、選択のポイントを解説

この記事では、生産管理システムの定義から生産管理、所要量計算、在庫管理といった機能、選択のポイントなど生産管理システムにまつわる情報を幅広く解説します。

RX Japan 合同会社では、日本最大級の製造業の展示会「ものづくり ワールド」を東京で行うほか、大阪・名古屋・福岡でも開催しております。

展示会場では、製造業の最先端事例や設計開発の最前線の話題が学べる併催セミナーも開催しています。

来場だけでなく展示会への出展も受け付けております。気になる方は、お気軽にお問い合わせください。

●出展・来場に関する情報はこちら

 生産管理システムとは

生産管理システムとは

生産管理システムとは、生産にかかわるあらゆる情報を一元管理し業務の効率化を図るための仕組みを指します。「もの」と「情報」をまとめて管理することで、品質・コスト・納期(QCD)を最適化するのがねらいです。

これまで、現場の情報管理の多くはExcel(エクセル)などを含めた手作業で行われていました。しかし、昨今ではDXの取り組みが進み、扱う情報量も膨大になってきています。実際に、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表したデータによると、国内でDXに取り組んでいる企業は全体の77.8%にのぼっており、なかでも製造業においては80.6%を占めています(※1)。こうした状況下では、人的なミス防止や情報共有の徹底といった観点で、生産管理システムの活用が不可欠です。

 生産管理システムの重要性

生産管理システムの重要性

生産管理とは、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の総称である「QCD」を最適化することを指します。実際の生産現場では、QCDにまつわる在庫や原価まで管理する必要がありますが、これらを一元的に管理できるのが生産管理システムです。

生産管理システムが構築されていれば、部署間での統一的な情報管理が可能になり、担当者の勘や経験に頼った属人化の状態も防げます。

 生産管理システムの機能

生産管理システムの機能

生産管理システムには、多くの機能が備わっていますが、ここでは代表的な6つを解説します。

・生産管理機能
・所要量計算機能
・在庫管理機能
・品質管理機能
・原価管理機能
・予算管理機能

それぞれの機能について以下で詳しく解説していきます。

図1 (生産管理システムの諸機能)

生産管理機能

生産管理機能は、大きく「生産計画」と「生産過程」の2つに分けられます。

生産計画を管理する機能では、市場のニーズや在庫情報によって「いつ」「何を」「いつまでに」「どれくらい」作るかを管理して、生産現場の効率化を図ります。一方、生産過程を管理する機能は「製造管理」とも呼ばれ、生産現場の状況を把握するために用いられます。作業進捗や作業実績を見える化し、人的リソースの調整や設備メンテナンスなどを行うことで、現場の業務の効率化を目指します。また、これらの情報をデータ化することで、トラブルへの迅速な対応も可能となるでしょう。

所要量計算機能

一般にMRP(Material Requirements Planning)と呼ばれ、生産計画や在庫情報、受注情報といったさまざまな情報から、必要な部品や材料の量を計算する機能です。これによって在庫リスクや資材コストを軽減できます。

在庫管理機能

部品や原材料などの在庫を管理し、数が不足したり、逆に多過ぎたりしないようにする機能です。この機能が備わっていることで、期日通りに納品でき、生産をより効率化できます。

品質管理機能

品質管理機能は、品質基準の設定や、品質基準に対する製造物の検査を行うとともに、顧客の品質要求に応えられるように、製造プロセス全体を管理・改善する機能です。不良品を追跡したり、不良原因を特定したりするほか、製造工程の最適化にも役立ちます。

原価管理機能

原価管理機能では、製造原価の計算を効率的に行います。損益分岐点の計算や目標値との差の分析を簡単に行うことができ、コスト改善に大きく貢献します。

予算管理機能

予算管理機能では、会社全体、部門ごとの予算をスピーディーに算出できます。手動で予算管理を行うと、担当者の作業負担やミスが起きてしまうリスクもありますが、生産管理システムの予算管理機能を使えば、ほかの機能と連携して自動的に計算できます。

 生産管理システム導入のメリット

生産管理システム導入のメリット

生産管理システムを導入する最大のメリットは、これまで見えなかった情報が定量的に可視化されて情報を一元管理できる点です。具体的には、以下のようなことが挙げられます。

・業務効率化
・コスト削減
・品質向上
・情報の透明化

図2 (生産管理システム導入のメリット)

情報管理を手作業で行うとミスが出てしまうこともありますが、生産管理システムの導入によって大幅に削減できます。また、進捗管理、需給予測などこれまで把握しにくかった情報をデータとして可視化できるため、DXの取り組みが推進され、コスト削減や業務効率化にもつながります。

さらに、業務効率化やコスト削減によって生まれたリソースを、本来かけるべき業務に充てることで品質の向上や納期の短縮なども期待できるでしょう。加えてデータをリアルタイムで収集・一元管理することで、社内全体における情報共有が強化され、問題を早期発見できるなど、情報の透明性も高まります。

 生産管理システムのタイプ

生産管理システムのタイプ

生産管理システムは、各社によって異なるニーズに応えるため、さまざまなタイプがあります。たとえば、多くの種類を少ない量で製造する場合に強みを発揮するタイプ、特定の業種で強みを発揮するタイプなどが挙げられます。

これらのなかから自社にとって最適な生産管理システムを絞り込むには、「生産方式(受注生産または見込み生産)」と「対象となる業種」から判断するとよいでしょう。

 生産管理システムを選ぶ際のポイント

生産管理システムを選ぶ際のポイント

実際に生産管理システムを選ぶ際は、機能と料金の両面から比較する必要があります。具体的には、以下のような点をチェックしてみましょう。

・自社の生産方式・業種と機能がマッチしているか
・必要な業務範囲を網羅しているか

・予算内に収まっているか

生産管理システムは、それぞれによって強みやカバー範囲が異なるため、まずは機能面から比較・選択することをおすすめします。その後、予算内に収まっているかどうかを確認し、最終的に導入を決めるとよいでしょう。

 よくある質問

よくある質問

ここでは、生産管理システムについてよくある質問に答えていきます。

生産管理システムとERPの違いは?

生産管理システムとERPでは、管理の対象や重点とする領域に違いがあります。ERPは「Enterprise Resource Planning」の略で、会計や人事など企業全体の業務情報を一元管理するためのシステムです。一方、生産管理システムは生産現場の管理に特化しています。生産管理機能が備わったERPもありますが、生産管理システムと比較すると、専門性の面では十分とはいえない場合もあります。

生産管理システムとMESの違いは?

生産管理システムとMES(Manufacturing Execution System)は、どちらも生産現場に特化したシステムですが、対象とする範囲が異なります。生産管理システムは、「何を・いつまでに・どれだけ作るか」といった生産計画を立て、生産を全体的に管理するシステムです。一方、MESは、生産管理システムが計画した生産量や納期を達成するためにどう実行するかに焦点を当てており、作業進捗や作業指示など、より現場に近い部分を管理します。

 まとめ

まとめ

生産管理システムはDXの取り組みや情報化が進む現代において、生産現場の業務効率化、見える化を図るには不可欠なシステムです。生産管理の現場でまだ生産管理システムを導入していない場合は、導入をおすすめします。さまざまなタイプがあるので、目的や業種に応じて絞り込み、比較するとよいでしょう。

RX Japan 合同会社では、日本最大級の製造業の展示会「ものづくり ワールド」を東京で行うほか、大阪・名古屋・福岡でも開催しております。

展示会場では、製造業の最先端事例や設計開発の最前線の話題が学べる併催セミナーも開催しています。

来場だけでなく展示会への出展も受け付けております。気になる方は、お気軽にお問い合わせください。

●出展・来場に関する情報はこちら

※1出典:
 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX動向2025(データ集)」
 https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/tbl5kb0000001mn2-att/dx-trend-data-collection-2025.pdf(最終確認:2026年1月13日)


<監修者>

福本 勲
合同会社アルファコンパス 代表CEO 
中小企業診断士、PMP(Project Management Professional)

1990年3月 早稲田大学大学院修士課程(機械工学)修了。同年に東芝に入社後、製造業向けSCM、ERP、CRMなどのソリューション事業立ち上げに携わり、その後、インダストリアルIoT、デジタル事業の企画・マーケティング・エバンジェリスト活動などを担うとともに、オウンドメディア「DiGiTAL CONVENTiON」を立ち上げ・編集長などを務め、2024年に退職。

2020年にアルファコンパスを設立し、2024年に法人化、企業のデジタル化やマーケティング、プロモーション支援などを行っている。

また、複数の企業や一般社団法人のアドバイザー、フェロー、NewsPicksプロピッカーなどを務めている。

主な著書に『デジタル・プラットフォーム解体新書』(共著:近代科学社)、『デジタルファースト・ソサエティ』(共著:日刊工業新聞社)、『製造業DX: EU/ドイツに学ぶ最新デジタル戦略』、『製造業DX Next Stage: 各国/地域の動向やAIエージェントがもたらす新たな変革』(近代科学社Digital)がある。主なWebコラム連載に、ビジネス+IT/SeizoTrendの『第4次産業革命のビジネス実務論』がある。

その他Webコラムなどの執筆や講演など多数。2024年6月より現職。
(本プロフィールは2025年11月現在のものです)


▼この記事をSNSでシェアする