熱収縮チューブとは?選び方や使用方法を紹介

熱収縮チューブは、家電製品や自動車、医療機器などにおいて、ケーブルやハーネスの導体保護、接触箇所の保護などさまざまなシーンで用いられることから、使用環境に合わせて選ぶことが大切です。この記事では、選び方や使用方法、種類を解説します。

RX Japan 合同会社では、日本最大級の製造業の展示会「ものづくり ワールド」を東京で行うほか、大阪・名古屋・福岡でも開催しております。

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 熱収縮チューブとは

熱収縮チューブとは

熱収縮チューブとは、家電製品をはじめ、車やバイクなどに使用されるケーブルや電線のうち、コネクタや端子の接続部など導体が露出する部分を覆い、熱収縮させて保護する部品です。電線にほこりが付いたり、摩擦により損傷したりするのを防ぐ役割があります。

ほかにも防水や電線の結束、色分けによる配線識別や接続箇所の表示といった用途に用いられることもある便利な部品です。

熱を加えることで収縮するため、チューブの中に対象物を通した後、ヒートガン(工業用ドライヤー)で温めて対象物を被覆します。

同様の用途で使用されるものに「高収縮チューブ」があります。たとえば、太さの違うケーブルやコネクタを接合したい場合、熱収縮チューブではうまく接合できないことがありますが、収縮率が高く口径も広い高収縮チューブであれば、このようなケースにも対応可能です。

図1:熱収縮チューブと高収縮チューブ

 熱収縮チューブの種類

熱収縮チューブの種類

熱収縮チューブには、ポリオレフィン熱収縮チューブ・PVC熱収縮チューブ・PTFE熱収縮チューブなど、材質の異なる種類が複数あります。以下、熱収縮チューブの種類と特徴を一覧表にまとめました。

名前

特徴・性能

コスト

ポリオレフィン熱収縮チューブ

・高温と化学物質に対する耐性が比較的高い

・一般的な熱収縮チューブとして広く使われている

低~中

PVC(ポリ塩化ビニル)熱収縮チューブ

・ポリオレフィン熱収縮チューブと同様、広く使用されている

・表面が滑らか

PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)熱収縮チューブ

・化学物質に対する耐性が高く、摩擦係数が低い

・表面の汚れが落ちやすい

FEP(フッ素化エチレン・プロピレン)熱収縮チューブ

・耐熱、耐候、耐薬品性に優れ、電気絶縁用途に適している

エラストマー熱収縮チューブ

・柔軟性と耐摩耗性に優れ、ディーゼル燃料や油圧油にも耐性がある

・工業環境で広く使用される

中~高

PVDF(ポリフッ化ビニリデン)熱収縮チューブ

・炎、腐食性化学物質、産業用燃料に対する耐性が高い

シリコン熱収縮チューブ

・耐熱性や柔軟性、殺菌・消毒に対する耐性が高く、医療業界で広く使用される

バイトン熱収縮チューブ

・高温耐性や耐油性、耐薬品性に優れる

・潤滑油に対して密封性能を発揮

名前

特徴・性能

コスト

ポリオレフィン熱収縮チューブ

・高温と化学物質に対する耐性が比較的高い

・一般的な熱収縮チューブとして広く使われている

低~中

PVC(ポリ塩化ビニル)熱収縮チューブ

・ポリオレフィン熱収縮チューブと同様、広く使用されている

・表面が滑らか

PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)熱収縮チューブ

・化学物質に対する耐性が高く、摩擦係数が低い

・表面の汚れが落ちやすい

FEP(フッ素化エチレン・プロピレン)熱収縮チューブ

・耐熱、耐候、耐薬品性に優れ、電気絶縁用途に適している

エラストマー熱収縮チューブ

・柔軟性と耐摩耗性に優れ、ディーゼル燃料や油圧油にも耐性がある

・工業環境で広く使用される

中~高

PVDF(ポリフッ化ビニリデン)熱収縮チューブ

・炎、腐食性化学物質、産業用燃料に対する耐性が高い

シリコン熱収縮チューブ

・耐熱性や柔軟性、殺菌・消毒に対する耐性が高く、医療業界で広く使用される

バイトン熱収縮チューブ

・高温耐性や耐油性、耐薬品性に優れる

・潤滑油に対して密封性能を発揮

コストは材料の種類や特性にもとづく目安であり、製品やメーカーにより異なります。用途や使用環境に応じて、必要な性能とコストのバランスを踏まえて選定することが重要です。

 熱収縮チューブの選び方

熱収縮チューブの選び方

熱収縮チューブは、コストを含め、使用環境に適した特性やサイズを考慮して選びます。以下でそれぞれの選び方について解説します。

図2:熱収縮チューブの選び方

特性

熱収縮チューブは絶縁性や耐熱性、保護・緩衝、防水などさまざまな用途で使用されますが、材質により特性が異なります。

たとえば、一般的なPVC(ポリ塩化ビニル)熱収縮チューブはコストが低く扱いやすいため、家庭でのDIYや簡単な電気配線、断熱の用途に適しています。工業用に高い耐熱性が必要なら、ポリオレフィン熱収縮チューブがよいでしょう。柔軟性にも優れていることから、複雑な配線にも適合しやすい種類です。

また、耐熱性と耐候性に優れたシリコン製の熱収縮チューブは、屋外や過酷な熱環境下での使用に適しています。さらに、薬品を扱う環境では耐薬品性に優れたPTFE製チューブの使用が適切であったり、長期間の品質保持や強度を維持したい場合には耐腐食性に優れたPVDF熱収縮チューブの使用が適切であったりとそれぞれ特性があります。

一方、構造による違いもあります。熱収縮チューブには単層と二層タイプがあり、単層は主に絶縁や耐摩耗用途に用いられます。二層タイプは内側に接着剤層を備えているため防水性に優れ、より高い保護性能が求められる場面に適しています。

このように、使用環境に応じて材質や構造の特性を理解し、適切なチューブを選ぶことが重要です。

なお、なかには色付きの製品もあり、多数のケーブルやハーネスを扱う現場では、誤配線防止のための識別用途として重要な役割を果たします。

サイズ

熱収縮チューブのサイズを選ぶ際は、対象物の外径を確認したうえで、適切なサイズと厚さを選択します。

外径を確認する際には、使用する対象の最大外径と最小外径を測りましょう。熱収縮チューブは、収縮前の内径が対象物の最大外径より大きく、収縮後の内径は最小外径より小さいサイズを選択するのがポイントです。収縮後の内径が対象物の外径よりも大きい場合、チューブが十分密着せず、内部で浮いた状態となり安定しなくなってしまいます。

 熱収縮チューブの使用方法

熱収縮チューブの使用方法

熱収縮チューブは、方法さえ分かれば簡単に使用できます。ただし、専門的な機器に使う際は注意が必要であるため、該当する分野の専門業者に依頼するのがおすすめです。以下が、熱収縮チューブを使用する際の基本的な手順です。

  1. チューブをカットする
  2. チューブの中に対象物を入れる
  3. チューブを熱して対象物をまとめる

チューブをカットする際は、収縮することを考慮して対象物より余裕を持った長さにします。次に、チューブを被せたい部分がしっかり収まるように気を付けながら、対象物の配置がチューブ内で均等になるように挿入しましょう。

最後にヒートガンなどでチューブを熱します。熱収縮チューブはヒートガンによる加熱が推奨されており、ライターやトーチなどの火気の使用は厳禁です。事故や破損につながる恐れがあるため、使用しないようにしましょう。

 熱収縮チューブを購入・仕入れるならどこ?

熱収縮チューブを購入・仕入れるならどこ?

広く使われている一般的なチューブであれば、ホームセンターで購入できるでしょう。一方で、たとえば自動車や電子機器などの製造業では、より高品質で特定の性能に特化したチューブが必要になります。その場合は、熱収縮チューブを専門に扱う企業に発注して仕入れるのがおすすめです。

たとえば、ものづくり関係のイベントに足を運べば、熱収縮チューブを専門に扱う企業が出展していることもあります。そうしたイベントでは、熱収縮チューブの実物を見たり、担当者に製品の話を聞いたりできるかもしれません。興味のある方は、以下のイベント情報を確認してみましょう。

 熱収縮チューブに関するよくある質問

熱収縮チューブに関するよくある質問

熱収縮チューブに関して、効果や使用する際の道具に関する質問があがっているため、それぞれ回答していきます。

熱収縮チューブの効果は?

熱収縮チューブには電線の導体部分や接続部分の絶縁・保護、防水、防腐食、防塵などの効果があります。

熱収縮チューブはドライヤーで使える?

基本的には、ヒートガンと呼ばれる専用の道具を使用して加熱する必要があり、これによりメーカーが保証する性能を発揮できます。そのため、ドライヤーでの代用はやむを得ない場合に限ります。

ドライヤーを使用する際は、チューブの収縮に必要な温度まで到達できる設定や、風の出るノズルを絞って局所的に加熱するなど工夫が求められます。ただし、本来の用途とは異なる使用方法であるため、仕上がりのばらつきや安全面に注意が必要です。

 まとめ

まとめ

熱収縮チューブは、電線の保護や仕分けなど、家庭で利用できるシーンもあります。車や家電製品、特殊な機器に対して使用する場合は、それぞれの対象物に適した特性の熱収縮チューブを選ぶことが大切です。

熱収縮チューブの種類は効果や種類によってさまざまで、企業独自に開発されているものもあります。専門的なチューブをお探しの際は、企業に発注を依頼する必要があるかもしれません。そんなときは、展示会などのイベントに参加している企業に問い合わせてみるのも方法の1つです。

RX Japan 合同会社では、日本最大級の製造業の展示会「ものづくり ワールド」を東京で行うほか、大阪・名古屋・福岡でも開催しております。

展示会場では、製造業の最先端事例や設計開発の最前線の話題が学べる併催セミナーも開催しています。

来場だけでなく展示会への出展も受け付けております。気になる方は、お気軽にお問い合わせください。

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<監修者>

西海 登
電気設計技術職として働く傍ら、Webライターとして活動。産業用機器の電気設計に従事し、設備の維持管理から構築まで、現場と設計の両面を経験。技術分野に加え、経済やビジネスの視点を掛け合わせた解説記事を得意としており、専門知識を「わかりやすく伝える」ことを重視している。


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